【男遊郭】神楽 ~感想~

文武両道に秀でる吉原の才人

  神楽(CV.置鮎龍太郎

   「ここは遊郭。私たちは夢を売るのが生業だ」

f:id:haineko39:20170227014745j:plain

高尾と並ぶ、菊屋の誇る「おいらん」。

剣術、剣舞、古典や書道などをたしなみ、吉原随一の教養を持つと噂されている。

人にこころを許さず、常に一歩引き、笑顔を見せない。(公式より)

 

 

感想

彼は頑固というかストイックというか……自分に厳しい人です。なかなかわかりづらい人ですが、真面目で嘘をつけない人なので、 自分の気持ちをストレートに伝えてくれます。己の知識を仕事に活かすことが夢だそうです。

そんな彼の物語は、学問の好きな神楽さんのために、貿易商の源エ門さんから蘭学書を買います。それを早く見せたくて彼のもとへ走ります。すると、以前、彼のことで騒ぎを起こしていた女性客にからまれてしまいます。彼女を避けて通ろうとすると転んでしまい、胸に抱えていた本をドブ川に落としてしまいます。そこへ、騒ぎを聞いた神楽さんが来て、自らドブ川に入り本を探してくれます。周りの傾城たちも手伝ってくれて本が見つかりますが、汚れてしまっています。しかし彼は「こんなありがたい贈り物は初めてだ」と喜んでくれます。お礼にと宴席を設けてくれました。しかし、すでに彼が同じものを持っていることがわかり、落ち込むみさを。そんな彼女に「貴女がどのような気持ちでやって来たのか。私はこの蘭学書を宝に思う」と相手の思いも大事にしてくれる彼に、胸がじーんとしました。数日後、かげろうさんに頼み神楽さんの蔵書をメモしてきてもらいました。今度こそは彼の喜ぶ顔を!と思い、源エ門さんに彼の持っていない蔵書を探してほしいと頼みます。無事に学術書を手に入れることができましたが、本はとても高価なもので金品が底をついてしまいました。それでも彼のために、これが最後だと盛大な宴席を設けました。その夜、「疲れただろう?」と足をマッサージしてくれる彼に愛されていると感じました。彼が「眠ってしまっても構わぬ」と言い、みさをは狸寝入りをしました。彼が眠ったのを確認して枕元に学術書を置いて、深夜、静かに見世を後にしました。

 

悲恋

神楽さんと別れて10年が経ちました。みさをは母と一緒に店を切り盛りしていました。彼女は変わらず近くにいるのに遠い存在の神楽さんのことを想っていました。ある日、彼が店に訪ねてきます。 なんと彼は、蘭学の勉強をして本土へ渡り、医師として島へ戻ってきていたのです。しかし、想いは伝えず、彼に認められるために彼のそばで強く生き続けることを誓うのでした。

とらえ方によっては悲しいのか、幸せなのか意見が分かれるエンドですが、これはこれでアリだと思いました。

 

 

神楽さんのもとを去った翌日、源エ門さんのおかげで忙しくなり、彼のことを関逢える時間が少なくなりました。そんな彼女のもとにかげろうさんが訪ねてきます。彼は神楽さんからの文と以前プレゼントしてくれた水仙の花を届けてくれたのです。文には「逢いたい」と書いてあり、金子が入っていました。いても立ってもいられず菊屋に走ります。「貴女なしではいられぬ!」と彼女を抱きしめる神楽さんに思わず涙が溢れます。そして、本当のことを話すのでした。その夜、2人は結ばれました。数日後、源エ門さんが慌てた様子で部屋を訪ねてきます。話を聞いた彼女は、彼のもとへと走り出します。

 

幸福

源エ門さんの話では、以前みさをが渡した蔵書メモを見て、この島で塾を開くにあたっての塾長を神楽さんに任せたいとのことでした。驚いた神楽さんですが、引き受けてくれます。渋っていたいろはさんですが、源エ門さんが身請け金を支払うことで決着がつきました。籠の中にとらわれていた彼が、籠を飛び出します。数か月後、塾長としての準備が忙しく、まだ祝言を挙げる子ができていませんが、とても幸せそうでした。 

 

祝言

顔が広い源エ門さんは、政府の高官に頼まれて学のある人を捜していました。そんな時、神楽さんの蔵書メモを見て、彼を政府の高官候補に推薦したいということでした。こうして源エ門さんが身請け金を支払い、彼は夢を叶えるために籠を飛び立ちました。引越しの準備があらかた終わった彼の部屋でプロポーズをされます 。「帰ってしまうのか?貴女が帰ってしまわないためには、所帯を持てば良い。夫婦になればいい」と。本土に渡り、祝言を挙げた2人はこれからも幸せに暮らしていくのだと思います。

 

神楽さんの物語は、表情をあまり変えない彼が、だんだんと表情を見せ、心を開いてくれる様子がようわかる物語だったのではないかなと思います。お話の筋も、納得できるものになっていたのではないかと。

置鮎さんの吐息交じりのお声に耳がやられました。

 

男遊郭 - PS Vita

男遊郭 - PS Vita

 

d3p.co.jp